在籍者の研究テーマ

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高橋 恵美子 (TAKAHASHI, Emiko)

テーマ

1950年代以降の学校司書の実践の歴史及び2014年学校図書館法改正(学校司書をはじめて明記した)に至る要因など

概要

学校司書は、1950年代から法律に記載されている司書教諭より多く存在し、学校図書館の運営を実質的に支えていた。にもかかわらず司書教諭に比べ、実際に学校司書の果たしてきた役割や実践の蓄積に関する研究は、あまり見受けられない。学校司書の果たしてきた役割及び実践の歴史を明らかにする。

近年、文部科学省の調査研究協力者会議が学校司書を扱うようになり、2014年の学校図書館法改正では学校司書が法律に明記されることになった。文部省・文部科学省の学校司書に関する認識の変化を明らかにし、法改正に至る要因を分析する。

矢田 竣太郎 (YADA, Shuntaro)

テーマ

「前読書家」の読書を触発する図書推薦システムの開発

概要

近年の高度情報化に伴い、スマートフォンをはじめとする個人用情報端末の利用時間が増大し、電子書籍の普及とともに本が携帯端末の内部で消費されつつある。 このことは、 将来世代にとって本と無意識に接触する機会が従来世代とは全く異なるものとなりうることを意味し、社会的にも学術的にも広く認識されている読書の教育学的意義を鑑みれば、情報ひいては教育格差に潜在的影響を及ぼすことが懸念される。 そこで、情報化の展開に即したかたちで、オンラインにおいて読書を触発できる環境を実装すること、特にあまり本を読まない状態から読む状態への移行を促す環境を想定した図書推薦システムの研究が重要となるとの着想に至った。 このとき、内容や関心に基づく手法や協調フィルタリングといった、積極的なユーザを前提としてきた従来の図書推薦システムとは異なり、受動的で情報行動が非積極的なユーザを対象に含めなければならない。 ところが我々はそもそも、人はなぜ読書するようになるか、その「読書を触発する契機」をまだ知らないのである。

そこで本研究では、読書意欲はあっても本を読む習慣・本を積極的に求める習慣を持つに至っていない「前読書家」を対象とし、知人・友人による図書への言及が読書行動を誘発しうるとの予備的検討に基づき、SNSの中でも気軽な会話がなされるTwitterを利用することで、近しい人との(近接性)日常的な会話(日常性)の中で、さりげなく(非強迫性)、楽しそうに(誘引性)言及される図書の情報を「前読書家」に通知する図書推薦システムとしてSerendyを実装する

山田 翔平 (YAMADA, Shohei)

テーマ

百科事典の概念を構成する属性を手がかりとしたWikipediaの分析

概要

知識の記録、伝達は様々なメディアによって支えられてきました。 その中でも、印刷された図書は特権的なメディアであり続けてきたといえます。 近年新たに登場したコンピュータやインターネットという新たなメディアは図書の特権性を脅かす存在となっています。 しかし、図書の集合はこれまで知識の編成を担ってきたといえるが、コンピュータやインターネットといったメディアが属する電子の世界は同様の知識の編成を可能とするのでしょうか。 もちろん利便性、機能性の点で優れるコンピュータやインターネットは今後ますます発展、普及を遂げるでしょう。 しかし、その形態からして従来のメディアからかけ離れたものが、図書が長年かけて形成してきたような知識の編成を成し得ると言い切る前に少し慎重に検討する必要があります。 本質的に問うべき問題をこのように定めながら、修士課程ではその解決の第一歩として、現在一般に百科事典として受け入れられているWikipediaは、本当に百科事典であるといえるかについて、図書の形態の百科事典の概念を基準として分析を行いました。 結論としてWikipediaは利用に関する属性を除いては百科事典と属性を共にしているとはいえず、百科事典という概念の外延には位置していないといえます。

朱 心茹 (ZHU, Xinru)

テーマ

発達性ディスレクシアに特化した読みやすい和文書体の研究

概要

発達性ディスレクシアは学習障害の一種であり、知的発達や家庭環境に問題はないが、文字の読み書きに著しい困難がみられるという障害である。英語圏では、人口の5-10%ほどがある程度のディスレクシアを持っていると言われている。そのため、ディスレクシアの人のための欧文フォントなどもいくつか作られている。日本では公立の小学校などを調査してみると、5-7%ほどの子どもがディスレクシアや著しい読み書きの困難を抱えていることが分かった。そうした子どもたちに対する支援方法は様々なものがあるが、書体に関しては「明朝体よりゴシック体のほうが読みやすい」「丸ゴシックが一番読みやすい」といった報告が複数見られる。しかし、ディスレクシアに特化した和文書体は存在しないようである。以上を踏まえ、本研究ではディスレクシアの人にとって読みやすい和文書体が存在するか否かを検討し、存在するようだったらその要件を整理するとともに、その要件に基いて書体又は書体調整ツールを作成することを目的とする。

唐 麟源 (TANG, Linyuan)

テーマ

国会答弁における言葉の一貫性について

概要

関心は人間の理性と言葉にある。そのため、最も公式的な議論の体現でなければならない議会での討議に焦点を絞った。具体的には、戦後日本の国会で行われてきた質疑答弁を研究対象としている。現段階では、特に歴代首相による本会議での答弁に着目している。

研究は三部分により構成される。まず、答弁という言説を国会会議録から抽出する。次に、答弁をその内容のテーマごとに分類する。最後に、それぞれの分類における個人なり、政党なりに見られる言葉遣いの変化を追うことにより、発話の一貫性を分析する。

この研究は、国会での討議は現実的にどうであるかという問いから始まる。国会における討議はどうであるべきかについては問題としない。また、国会のみならず、議論が求められるすべての場面で通用する言葉の力の解明を目指している。

韓 尚珉 (HAN, Sangmin)

テーマ

非母語で書かれたオンライン•テキスト読みにおける認知的負荷

概要

母語で紙版媒体を通じて読む時と電子媒体のスクリーンで読むときには、理解度や再生のための記憶の程度などに差があるといわれている。同じ媒体で読みを行う場合でも母語と外国語での間には言語能力の差による情報習得とか学習への差異がありうる。外国語の学習の為にハイパーメディアの使用やオンライン・リディングは効率的だという研究も出てきている。母語ではない外国語で、オンラインを通じた読みプロセスの場合にはどのような認知的負荷が作用していて、いかに不必要な負荷を低くされるのか。現在の段階ではコンピューターのウェブ上で、「clicking & linking」を通じて始まるハイパーテキスト・リディングにフォーカスしている。


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