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論文の書き方と注意点

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基本的なこと

  • 信頼される論文を書くために 改訂版』を読みましょう。最新版は第3版(2017年度)
    • 紙媒体のものも研究室にあるはずなので、お近くのメンバーまで
  • 剽窃とかデータの捏造とか二重投稿とか、ダメ、絶対。
    • 個人意思と関係なく、倫理違反してしまう場合があるから、要注意
      • ノートに取っていた先行研究の引用・参照が不明確だったり、バージョン管理が甘くて古いデータを使ってしまったりとか
      • 記憶が曖昧になって,引用したものを自分の考えと思い込んでしまうことがある
      • クリーニング前のデータとクリーニング後のデータの区別を忘れてしまうとか
    • 論文誌に投稿するときは投稿規定を1つ1つチェックしましょう(古いものは避けましょう)
      • 慣例は学会によって違います。基本として,業績になるものの二重投稿はダメ。
  • 共著の場合,関係者全員の確認が必要

投稿にあたって

  • 通常の論文誌が求める長さ: 英語だと6000~10000 words; 日本語だと20000字程度(図書館系は大体pdfファイル30ページ)
  • 投稿規定を見て、研究を投稿しよう
    1. 早いうちに準備を始めよう
    2. テーマと関係なさそうなところまで読み込むことも大切
    3. 業界選びは慎重に(発表場所とか、発表媒体とか)
    4. フィードバックと批判的意見を受け入れよう
      - 投稿者からみれば、編集者と査読者は敵に見えるけど、編集者は中性的
        - だから査読に対して感情的な反応は避けよう。編集者まで敵に回してしまう
      - 研究はみな面白いから、客観的に丁寧にそれを主張しよう
      - 査読者のコメントはもちろん鵜呑みする必要はないが、受け入れない理由は明示しよう
        - 修正後再査読は、査読者にとっても苦痛だから、査読者に救われたと思ってください
        - だから時間を掛けて丁寧に修正しよう
          - といっても半年内は常識(論文誌によるが)
    5. トップレベルから出すという意識をもってください
    6. 有効なキーワードは評価の入り口だからとても大切
      - 無効なキーワードを並べることは、つまり業界についてよくわかっていないこと
    7. 投稿規定に従って書式に気をつけよう
      - これについて、図書館系の人はプライドをかけている
      - フォーマットの不出来と内容の不出来との相関が高いらしい
    8. 用語に関して
      - 実験系は実験を言葉で記述するので、報告の側面が大;文科系はストーリー性(ロジック)重視
      - 断言を避けよう;曖昧なレトリックを避けよう
        - 練習としては母語以外の言語で書こう
    9. 概念のカテゴリー操作が重要
    10. 一歩下がって、自分の研究を正当化しよう
    11. 下書きを終えよう
      - 読み直そう
      - 躊躇なく削ろう
      - タグをつけてとにかく前に進もう

書き方等に関わる基本文献

英語論文の書き方に関して

  1. Swales, J. M. and Feak, C. B. Academic Writing for Graduate Students: Essential Tasks and Skills. 3rd ed. University of Michigan, 2012.
  2. Wallwork, A. English for Writing Research Papers. Springer, 2011.
  3. New Oxford Dictionary of Scientific Writers and Editors: The Essential A-Z Style Guide for Scientists. Oxford University Press, 1991.
  4. Oxford Learner's Dictionary of Academic English. Oxford University Press, 2014.

おすすめは1, 2, 4番。4の辞書はぜひ自前の一冊を買っておいてください。

参考文献の書き方・引用の仕方について

  • 前置き:翻訳で誤訳をするとき
    • ことばの意味がわかっていない
    • わかっていないことに気づかない
  • 大切なポイント:文献をきちんと管理すること
    • 文献管理のときからフォーマットを統一する
    • 文献一覧を作り,番号を振る
    • ノートを取るとき,番号とページ数,他人のことばと自分のことばを区別し,引用を自分のわかる形でする
    • 大文字,小文字,コンマなどは自分の書式に変えていい場合もあり,前例をチェックする
  • 参考文献と引用の基礎
    • 澤田昭夫『論文の書き方』講談社学術文庫, 1997.
    • 木下是雄『理科系の作文技術』中公新書, 1981.
  • 引用とは
    • 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部『言葉を大切にしよう : 論文・レポート作成の心得 2013』2013.
    • 林紘一郎, 名和小太郎『引用する極意引用される極意』勁草書房, 2009.
    • 吉村富美子『英文ライティングと引用の作法 : 盗用と言われないための英文指導』研究社, 2013.
  • 参考文献の書き方
    • 藤田節子『レポート・論文作成のための引用・参考文献の書き方』日外アソシエーツ, 2009.
    • Gibaldi, Joseph.『MLA英語論文の手引 第5版』原田譲治訳編, 北星堂書店, 2002. [MLA handbook for writers of research papers. 5th ed. Modern Language Association of America, 1999.]
    • Turabian, Kate L.『シカゴ・スタイル研究論文執筆マニュアル』沼口隆, 沼口好雄訳, 慶應義塾大学出版会, 2012. [A manual for writers of research papers, theses, and dissertations : Chicago style for students and researchers. 7th ed. University of Chicago Press, 2007.]
  • 執筆要綱によって規定されている参考文献の書き方

レビュー論文の書き方について

  • コンセプト勝負の人はレビューをちゃんと押さえるべき
  • レビュー論文の編集編成作業は大事
  • レビュー論文に関する文献
  1. Lawrence A. Machi and Brenda T. McEvoy, The Literature Review: Six Steps to Success. 2nd ed., California, Corwin, 2012.
  2. Harris Cooper, Synthesizing Research: A Guide for Literature Reviews. 3rd ed., California, Sage Publications, 1998.
  3. Jose L. Galvan, Writing Literature Reviews: A Guide for Students of the Social and Behavioral Sciences. 4th ed., California, Pyrczak Publishing, 2009.
  4. Chris Hart, Doing a Literature review : Releasing the Social Science Research Imagination, London, Sage, 1998.
  5. 大木秀一 『看護研究・看護実践の質を高める文献レビューのきほん』 医歯薬出版, 2013.

 レビューの仕方については看護学の分野でよく指南書が出版されているようです。基本的なところを押さえておくんであれば、1と3を読むことをお勧めします。

質問紙調査等について

  • オンラインでの調査法に関しての文献はある
  • データ提示の仕方が大事
    • 円グラフを使用してはいけない
    • 記述統計のためのグラフと探索統計のためのグラフが違う
    • プログラミング言語(Rとか)で実現されているので,学ぶとよい
  • 質問紙調査に関する文献
  1. 林知己夫 『調査の科学: 社会調査の考え方と方法』 講談社, 1984.
  2. 鈴木淳子 『質問紙デザインの技法』 ナカニシヤ出版, 2011.
  3. 辻新六, 有馬昌宏 『アンケート調査の方法 : 実践ノウハウとパソコン支援』 朝倉書店, 1978.
  4. 小塩真司, 西口利文(編) 『質問紙調査の手順』 ナカニシヤ出版, 2007.

 1は、質問紙調査の方法についてではなく、その一歩手前の社会調査全般について押さえておくべきことが概略されています。広く社会調査に該当する調査を行うのであればすぐ読めるので読んでおくと良いと思います。

 2は、タイトルにあるように、質問紙をどのように構成するかということについて、質問紙の形式のレベルから、実際に質問紙に書かれる教示や選択肢の表現のレベルまで解説されています。

 3は、少し古い本ですが、調査の設計・実施と調査結果の分析について、それぞれ初歩より少し上のレベルの内容について細かく触れらられているので紹介対象としました。

 4は、心理学における質問紙調査法の手順を解説したものです。心理学の領域での質問紙調査の方法を解説した図書の一例として挙げました。質問紙調査を設計する上では、有益なことも複数あるかと思います(例えば、信頼性や妥当性といった概念)。