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新入生へのガイダンス:研究の手続きについて [2017/02/02 12:13]
wiki_users [文献の調べ方]
新入生へのガイダンス:研究の手続きについて [2019/12/18 18:53] (現在)
wiki_users [ストック情報]
ライン 8: ライン 8:
 ==== 図書と知識の階層(辞書・百科事典等) ==== ==== 図書と知識の階層(辞書・百科事典等) ====
   * 小項目主義と大項目主義   * 小項目主義と大項目主義
-  * wikipediaを含む一般的な百科事典は研究の出発点として使ってはいけない+  * wikipediaを含む一般的な百科事典は研究の出発点として使ってはいけど,参照源として使われることは基本ありません 
 +  * とりわけ技術的分野におて,入門書ではなく,オリジナルを参照すること
   * 専門分野に入ると,こんなものが(まぁ)有効   * 専門分野に入ると,こんなものが(まぁ)有効
     * 専門事典     * 専門事典
ライン 25: ライン 26:
 ==== 「広げる」段階と「絞り込む」段階 ==== ==== 「広げる」段階と「絞り込む」段階 ====
 広げる段階に相当するプロセスの習慣化 広げる段階に相当するプロセスの習慣化
-  * 普段から自分のテーマに関わるものを読んでおく+  * 普段から自分のテーマに関わるものを読んでおく。広い範囲で読む。
   * テーマを選べるときに読むもの   * テーマを選べるときに読むもの
     * 教科書とか     * 教科書とか
ライン 36: ライン 37:
 ==== 5層の読み ==== ==== 5層の読み ====
  
-  - 文字通り論理展開を追う(すべて論理式に落とす)+  - 文字通り論理展開を追う(論理式に落とすつもりで
     * 新情報・旧情報の識別に注意     * 新情報・旧情報の識別に注意
 +    * 外延集合を常に想像すること(疑似外延集合でもよい。その場合,1レベル下のカテゴリを数える。)
   - 重要情報(キーワード)を書き出す   - 重要情報(キーワード)を書き出す
     * キーワード間の論述構造(論理関係)と概念構造(論述関係)を捉える     * キーワード間の論述構造(論理関係)と概念構造(論述関係)を捉える
ライン 44: ライン 46:
   - 「何について何を言ったか」という報知的要約(各段落の内容の要約)   - 「何について何を言ったか」という報知的要約(各段落の内容の要約)
   - より大きなまとまりを俯瞰的要約(目次の再構成)   - より大きなまとまりを俯瞰的要約(目次の再構成)
 +    * 可能な構造もいじってみる
  
 最終的には以上を 1 path で出来るとよいが、それまでは各層ごとに読み直す。 最終的には以上を 1 path で出来るとよいが、それまでは各層ごとに読み直す。
ライン 53: ライン 56:
  
   * ディレクトリの階層   * ディレクトリの階層
-  * README+  * README(最低限のログ情報など)
   * ファイル名に日付   * ファイル名に日付
   * checksum   * checksum
ライン 61: ライン 64:
  
   * ページ番号を振って cross reference 可能にする   * ページ番号を振って cross reference 可能にする
 +  * 文献番号を付けること
   * 日付を記入する   * 日付を記入する
  
ライン 89: ライン 93:
     * 図書館のデータベースをベースにしたもの     * 図書館のデータベースをベースにしたもの
       * 大学図書館[[http://​ci.nii.ac.jp/​books/​|CiNii Books]]       * 大学図書館[[http://​ci.nii.ac.jp/​books/​|CiNii Books]]
 +        * CiNii Booksと関係ないが,2017年3月28日付きCiNii ELS事業が廃止されたらしいので,国の方針としては,電子化された論文pdfの掲載は今後J-STAGE一本化?(未確認)
       * 国会図書館[[https://​opac.ndl.go.jp/​|NDL-OPAC]]       * 国会図書館[[https://​opac.ndl.go.jp/​|NDL-OPAC]]
       * 世界中の図書館[[http://​www.worldcat.org/​|WorldCat.org]]       * 世界中の図書館[[http://​www.worldcat.org/​|WorldCat.org]]
ライン 107: ライン 112:
       * 論文誌を読む       * 論文誌を読む
     * 文献の参考文献リスト     * 文献の参考文献リスト
 +      * 芋づる式の2つの問題:時間のギャップ(その間の文献をカバーできない)と,トピックシフトの可能性(テーマが偏ってしまう)
     * ハンドブック,事典類     * ハンドブック,事典類
       * [[https://​japanknowledge.com/​library/​|JapanKnowledge Lib.]]       * [[https://​japanknowledge.com/​library/​|JapanKnowledge Lib.]]
ライン 113: ライン 119:
     * 科学研究費助成事業データベース     * 科学研究費助成事業データベース
     * 研究分野,関連キーワード,研究概要などが見れる     * 研究分野,関連キーワード,研究概要などが見れる
-  * 言語系ならもう一つの邪道(?)がある+  * 言語系(自然言語処理も含む)ならもう一つの邪道(?)がある
     * [[http://​linguistlist.org/​|LinguistList]]で current calls を見てテーマを決めることもできる     * [[http://​linguistlist.org/​|LinguistList]]で current calls を見てテーマを決めることもできる
 ===== 文献の管理 ===== ===== 文献の管理 =====
ライン 138: ライン 144:
     * フォルダごとにBibTeXファイルを書き出し (TeXが参照するディレクトリへ書き出すとベター)     * フォルダごとにBibTeXファイルを書き出し (TeXが参照するディレクトリへ書き出すとベター)
     * 引用するときにCitation Keyを設定 (BibTeXを使う場合)     * 引用するときにCitation Keyを設定 (BibTeXを使う場合)
 +
 +===== 研究室での情報共有 =====
 +
 +研究室などのチームで共有される情報は、その有効期間に着目して2つに大別できる。
 +
 +  * フロー情報
 +    * 有効期間の短い時事的な情報(ex. 休講情報、ゼミの日程)
 +    * 新しい情報によって古い情報を押し流していく
 +  * ストック情報
 +    * 有効期間の長い保存版の情報(ex. 事務手続、必読論文リスト)
 +    * 情報の発行時期よりも内容ごとに整理されているべき
 +
 +それぞれに適したツールの活用が望ましい。
 +
 +==== フロー情報の共有ツール ====
 +
 +  * メーリス
 +    * メーリングリストの略(ML)
 +    * MLアドレスに送信したメールがリストに登録されたメールアドレス全てに一斉送信される
 +    * (テキストメッセージの主流化でメールが滅びる日がいつか来る?)
 +    * 良くも悪くも「お手紙」
 +    * ある程度のボリュームの情報をパッケージングして共有できる
 +      * 正式な情報っぽさがある (pros)
 +      * 書くのにちょっと敷居がある (cons)
 +    * Google Group やフリーML?とか
 +    * 大学によっては学内で何かしら提供がある
 +  * グループチャット
 +    * チャットルームに招待されたユーザが短いメッセージをやり取りする
 +    * 例:各国のデファクトツール(消費者・一般向け)
 +      * 日本:LINE
 +      * 中国:WeChat
 +      * 欧米:WhatsApp
 +    * 一度に送信するテキストは短めなのでちょっとしたことでも共有しやすい (pros)
 +    * たのしい雑談ができる (pros?)
 +    * 通知がうるさい (cons)
 +    * 前のメッセージが絶望的に見つけにくい (cons)
 +    * そこでSlack!
 +      * 企業向けグループチャットサービスの1つ
 +      * 通知設定を細かく制御できる
 +      * チーム内でトピックごとに別のルームを作れる
 +      * メッセージ検索機能が優秀
 +      * Webサービス、Botとの連携で便利な機能(ex. MTG日程通知、サーバへの命令)
 +        * メーリスの転送
 +        * 今日の各図書館の開館時間
 +        * 教育学研究科学生支援チームHPの更新通知
 +        * 研究室HP・Wikiの更新通知
 +        * 総合ゼミ他研究室イベントのリマインド
 +
 +==== ストック情報 ====
 +
 +  * Wiki
 +    * 一連の HyperText 文書を Web ブラウザから作成・編集・削除できるシステム
 +    * 登録ユーザであれば誰でも編集でき、その履歴が保存される
 +    * 集団内の情報を構造化して共有するのに適したツール
 +    * 本研究室ではレンタルサーバに dokuwiki という Wiki システムを構築
 +    * 巷にあまりよい無料サービスがない
 +    * 強いて言えば…
 +      * [[https://​scrapbox.io/​|Scrapbox]]
 +      * [[https://​trello.com|Trello]] (Wikiではないが)
 +  * クラウドストレージ
 +    * どんなファイルでも置くことができ、インターネット経由で中身を閲覧できる保管庫
 +    * PDF、Officeファイル、画像、映像、音楽…
 +    * ほとんどのサービスはストレージを個人に紐つけている(チームの金庫的なものは少ない)
 +    * 研究室で1つのストレージを開設して運用(本当はこれも個人ベースのサービス)
 +    * 院生全員が同じクラウドストレージサービスを使っていればビルトインのフォルダ共有で足りる
 +
 +===== データやプログラムの共有 =====
 +
 +==== オープンデータリポジトリ ====
 +
 +(研究の)データをオープンに公開して、研究者みんなで使えるようにしよう運動
 = オープンデータ
 +
 +ある地点の温度測位データ◯年分、何かの生き物のゲノム情報、テキストコーパス、匿名患者のfMRIデータ、無数の笑顔写真のパック…などさまざま。
 +
 +サービスの例:
 +  * [[https://​data.mendeley.com|Mendeley Data]]: なんでも
 +  * [[https://​www.datacite.org/​|DataCite]]:​ なんでも
 +  * [[https://​figshare.com/​|Figshare]]:​ 図表中心
 +
 +==== ソースコードリポジトリ ====
 +
 +  * GitHub
 +  * BitBucket
 +  * GitLab (GitHub clone for self hosting)
  
  
ライン 153: ライン 243:
 gitで管理されたフォルダはgithubでホスティングするのもデファクトになった。 gitで管理されたフォルダはgithubでホスティングするのもデファクトになった。
 ただしgithubにアップロードするとすべてパブリック(公開)となることに注意。 ただしgithubにアップロードするとすべてパブリック(公開)となることに注意。
-学生であれば申請することで、githubプライベートリポジトリを持つことが無料で可能になる。+学生であれば申請によりgithubでもプライベートリポジトリを持つことが無料で可能になる。
 代替サービスのBitBucketならもともとプライベートリポジトリが無料なので、そちらを使うのも手である。 代替サービスのBitBucketならもともとプライベートリポジトリが無料なので、そちらを使うのも手である。
  
 また、あらゆるデータは必ず物理的に異なる場所に、最低でも3箇所バックアップを取ることを推奨する。 また、あらゆるデータは必ず物理的に異なる場所に、最低でも3箇所バックアップを取ることを推奨する。
 たとえばローカル、USBメモリ(外付けHDD)、クラウドストレージ(Dropboxなど)に保存すると、どこかで何かあったときに復元できる可能性が高まる。 たとえばローカル、USBメモリ(外付けHDD)、クラウドストレージ(Dropboxなど)に保存すると、どこかで何かあったときに復元できる可能性が高まる。
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 ===== 調査協力依頼や調査対象への連絡 ===== ===== 調査協力依頼や調査対象への連絡 =====
 **学校への調査依頼(フィールドワーク・アンケートなど)** **学校への調査依頼(フィールドワーク・アンケートなど)**